シャクナゲ(石楠花)

 シャクナゲは、ツツジ科ツツジ属の、寒さに強い常緑広葉樹の低木です。

 ヒマラヤなどの高山奥地という特殊な環境に自生しています。

 19世紀に中国からヨーロッパにもたらされ、品種改良が盛んに行われました。

 そうして生み出されたセイヨウシャクナゲが、明治時代に日本に輸入され、福島県や滋賀県の県花として親しまれています。

 大きく豪華な花びらをつけることから、花木の女王と呼ばれています。

 また、元々は高山の奥地にしか自生していなかったことから、ミステリアスな印象もあります。

 葉はロードトキシンという毒性をもっており、嘔吐や痙攣、下痢を引き起こすとされています。

 特にハクサンシャクナゲの葉をお茶として飲用するときには注意するようにと厚生労働省も注意を促しています。
 
 石南花という漢字でも書かれることから、漢方の石南(オオカナメモチ)と混同されやすいですが、同じものではありません。

 中国からシャクナゲが輸入された当時、同一のものと勘違いされ、石南花、石楠花という漢字が当てられたとされています。

 また、石楠花の名前の由来には、背丈が短いことから「尺なし」が変化して「尺なげ」と呼ばれるようになったという説もあります。

 開花時期は、早咲きのものを含めると3~6月で、5~6月初旬に見頃の季節を迎えます。

 元々は赤や白の花をつけるものが多かったですが、品種改良が進み、現在は黄色やピンクなどの花をつけるものもあります。

 石楠花は、品種改良によって高山ではない場所でも花を咲かせられるようになりました。

 育て方も容易なため、春になると街中で様々な色のものを見ることができます。

 また、たくさんの日本固有種があり、春に山登りをすれば自然に咲く石楠花の姿を見ることもできます。

 石楠花は野生状態で約300種類、園芸用としては約5,000種類の品種があるといわれ、樹高や樹形も多様になっています。

 赤、黄、ピンク、白など花色が豊富で、イギリスを中心に品種改良が進められてきました。

 浅間高原にある「しゃくなげ園」では、5月中旬~6月上旬に「しゃくなげ祭り」が開催されています。

 東京ドーム10個分の敷地におよそ15万本の石楠花が咲き誇っています。

 花言葉は、「警戒」「危険」「威厳」「荘厳」です。

 「危険」「警戒」は、元々ヒマラヤの高山地帯に生える植物であり、採りに行くのに危険を伴うことから来ています。

 「威厳」「荘厳」は、高山の奥地に咲いている様子に由来しています。

Dsc 0074

科・属  ツツジ科・ツツジ属
学名   Rhododendron
     hybridum
英名   Rhododendron
別名   石南花、西洋石楠花
     セイヨウシャクナゲ、
     ロードデンドロン
原産地  日本、中国、ヒマラヤ、
     ヨーロッパ
開花   3~6月
花色   白、赤、ピンク、黄、
     赤、紫など

PAGE TOP inserted by FC2 system