レトロスペース坂会館は、札幌市西区二十四軒にある私設博物館です。
レトロスペース坂会館
北海道札幌市西区二十四軒3-7-3-22
札幌で最もディープな私設博物館とか、ヤバすぎる札幌の珍スポットとも言われることがあります。
北海道でよく知られているお菓子のメーカー、坂栄養食品が運営する工場併設の博物館です。
交通量の多い大通りにあり、見上げるとガラス窓には下着や水着を身に着けたマネキンがずらりと並んで見えます。
そうした雰囲気から、いかがわしいところではないかと思っている人が少なくないようです。
当館内に入るには勇気が必要ですが、レトロスペース坂会館は秘宝館とは異なります。
公式Facebookの自己紹介で、”昭和が、猥雑が、暗がりが”と書かれています。
坂栄養食品株式会社は同住所にある菓子メーカーで、社団法人全国ビスケット協会加盟店です。
同社の前身は、1911年4月4日に士別市で創業した澱粉工場です。
主力商品はビスケットで、北海道では坂ビスケットの名で知られています。
1949年よりビスケット生産に参入し、1950年に坂栄養食品を設立しました。
1955年頃に本社と工場を現在地に移転し、今日に至っています。
工場には売店が設けられているほか、1980年代まではレストランも併設されていました。
その後、古い生活雑貨などの保存・展示を行う私設博物館として、1994年から公開されました。
館長の坂一敬さんは1943年北海道上士別生まれ、大学進学のため上京しました。
大学生になってから運動に身を捧げ、帰郷した後にレトロスペース坂会館を開館しました。
全国にコアなファンを持つ、札幌が誇るホットスポットとなっています。
レトロなアイテムの展示だけでなく、不定期でコンサート、映画鑑賞会、トークイベントなども行っています。
展示の始まりは、ゴミ捨場に打ち捨てられていた一体のマネキンからだったそうです。
それを見た時に、そのマネキンと自分が重なって見えたといいます。
自分が捨てる側にいるのか捨てられる側にいるのかを考えたとき、自分はもう捨てられる側にいると思いました。
それでマネキンを拾ってきたというのが、ここの始まりと言われます。
館長が30年以上自分で見て鑑定して、いいなと思うものを飾っているそうです。
ここは、生涯をかけてモノを蒐めた人間の、人生を凝縮した私設博物館です。
でも、後々どうするのかについて、先のことは考えていないと言われます。
超ディープな私設博物館・レトロスペース 坂会館(外部リンク)