夕張市石炭博物館は、北海道夕張市高松にある博物館です。
夕張市石炭博物館
北海道夕張市高松7
1888年に、技師の坂市太郎が3層からなる石炭層を発見しました。
それぞれ10尺層、8尺層、6尺層と名付けられ、合計24尺の層は約7メートルの大規模なものです。
この炭層の発見から2年ほどで炭鉱開発が行われ、夕張市の発展のスタート地点になりました。
敷地内の石炭大露頭夕張24尺層は、現在、北海道指定天然記念物に指定されています。
夕張市はかつて炭鉱の街として栄え、最盛期には24の鉱山があり約12万人が暮らしていました。
その後、1960年代半ばから鉱山が閉山し始め、その歴史を伝えるためにテーマパーク石炭の歴史村が誕生しました。
夕張市石炭博物館は、石炭の歴史村の整備に合わせて1980年7月に開館しました。
1970年開設の夕張市郷土資料館、後の夕張市炭鉱資料館を前身としています。
2006年に夕張市の財政破綻が明らかになり、2007年に国によって財政再建団体に指定されました。
破綻の原因となった背景には、石炭から石油へという国のエネルギー政策転換があります。
夕張市石炭博物館は2006年10月22日限りで休館となり、夕張市が直接管理を行いました。
その後、貴重な炭鉱遺産を守ろうと存続を求める声が上がり、2007年以降の運営について検討が行われました。
そして加森観光が運営を受託し、関連会社の夕張リゾートが2007年4月27日に再開しました。
施設の老朽化から修繕が必要になり、2011年に立て坑やぐらやエレベーターなどの大規模修繕が行われました。
2013年に郷土文化施設となり、観光施設から文化施設に行政上の扱いが転換されました。
2015年には加森観光が指定管理者を返上し、夕張市が2016年から2か年で初の大規模改修を実施しました。
2018年4月28日に営業が再開されましたが、2019年4月に火災があり休止しておりました。
出火の原因は、坑道内の木枠に何らかの原因で着火した可能性があるということです。
再開に向けて、ふるさと納税型クラウドファンディングが行われました。
そして、行政、有識者、工事関係者の尽力により、2025年4月に再開しました。
夕張市石炭博物館は、石炭産業関連としては世界でも有数の博物館です。
北海道の開拓の歴史から炭坑による夕張市の発展と閉山まで、時間軸に沿ってわかりやすく解説されています。
日本唯一の模擬坑道で学べる施設で、実際に使用されていた坑道に入ることができます。
模擬坑道は国の登録有形文化財にも指定され、高低差のある内部をしっかり見学できます。
旧北炭夕張炭鉱天竜坑を利用して、採炭現場の動態展示などを行っています。
一部では、本物の石炭層に直に触れることも可能です。
坑道内は見学用に整備され、安全面にも配慮されています。
石炭層が身近に確認できる場所は、日本ではここだけです。
アクセスは、JR北海道石勝線新夕張駅から夕鉄バスで夕張市石炭博物館停留所下車徒歩約10分です。
自動車なら、道東自動車道夕張インター降車約27分です。
【北海道夕張市】夕張市石炭博物館で夕張の歴史を感じました【炭鉱】
日本で唯一、石炭層に触れられる『模擬坑道』が7年ぶりに一般公開へ 火災を経て復活した北海道夕張市のシンボル(外部リンク)