モクレン科モクレン属の落葉広葉樹の一つで、早春に真っ白できれいな花を咲かせ、冬が明ける合図となる花です。
和名のコブシは、集合果でデコボコした果実の形状が握りこぶしに似ていることに由来します。
つぼみの形が子どもの握りこぶしに似ているとする説もあります。
昔はコブシの花が咲く時期に田打ち作業を始めたことから「田打ち桜(タウチザクラ)」の別名もあります。
属名の学名Magnolia(マグノリア)は、18世紀のフランスの植物学者ピエール・マニョルの名前にちなみます。
英語では、和名から「Kobushi magnolia」や「Northern Japanese magnolia」などと呼ばれます。
桜と同様に葉よりも先に花が咲きますが、開花時に1枚だけ花の下に葉を付けます。
花はとても良い香りがして、少し先に開花するハクモクレンよりも花びらが薄くほっそりとした印象です。
コブシの花びらの枚数は6枚であるのに対して、ハクモクレンは9枚です。
淡いピンクや白い花を咲かせるシデコブシ(ヒメコブシ)があり、コブシより樹高が小ぶりですので、庭園や公園樹の他、個人宅の庭木としてよく利用されています。
両者の違いは、コブシの花弁数は6枚であるのに対して、シデコブシ(ヒメコブシ)は花弁の枚数が多く、園芸種は八重咲き種もあります。
切り花としても親しまれ、つぼみや花つきの枝ものが冬に流通しています。
花言葉は、「愛らしさ」「友情」「友愛」です。
「愛らしさ」は、子どもの握りこぶしのようなつぼみの形にちなむといわれます。
「友情」「友愛」は、純白で曇りのない花姿に由来するといわれます。
科・属 モクレン科・モクレン属
和名 辛夷
英名 Kobushi magnolia
学名 Magnolia kobus
原産地 日本、韓国済州島、中国
開花期 3月~4月