ヤツデは植物としては珍しい、11〜12月の冬の時期に白くて丸い花を咲かせます。
一見大きなふわふわとした花の塊のようにみえますが、球状のたくさんの花が一塊になっていて、ほかの植物にはない、不思議な花を咲かせます。
花だけではなく、20cm以上もの大きさにもなる手のひら型の葉っぱも魅力の一つです。
大きくつやつやしたグリーンの葉っぱはとても美しく個性的な見た目をしており、開花時期だけでなく、一年中観賞を楽しめます。
乾燥させたヤツデの葉は、煎じて服用したり、煎じた液でうがい液として使われ、入浴剤としては、乾燥させた葉を布袋に入れて鍋で煮出してから、そのままお風呂に入れて利用します。
薬用的な効果もありましたが、近年ではインテリアやアレンジメントなんかでも活躍しているようです。
ヤツデは漢字で書くと「八手」と表記されますが、実際にはヤツデの葉は5や7など奇数にしかさけず、8つに分かれることはほとんどありません。
ヤツデという名前になったのは、8が数が多いことを表す数字と同時に縁起が良いためだったと考えられます。
ヤツデの学名である「Fatsia」も、日本語の「はち」という発音が元となっているといわれています。
ヤツデは葉っぱが天狗の持っている団扇に似ていることから、別名「テングノウチワ」とも呼ばれています。
天狗が使っている団扇には魔除けの効果があるとされているため、ヤツデにも同様の効果があると古くから伝えられています。
花言葉は「健康」「分別」「親しみ」です。
日陰でもすくすくと生育する、丈夫な姿に由来するともいわれます。
科・属名 ウコギ科ヤツデ属
学名 Fatsia japonica
和名 八手(ヤツデ)
別名 天狗の羽団扇
(テングノハウチワ)
英名 Japanese aralia, Fatsia
原産地 日本、朝鮮半島