三保の松原は静岡県静岡市清水区の三保半島にある景勝地で、御穂神社の鎮守の杜として守られてきました。
その美しさから日本新三景(大沼、三保松原、耶馬溪)、日本三大松原(三保の松原、虹の松原、気比の松原)のひとつとされ、国の名勝に指定されています。
また、2013年6月のユネスコの世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の、構成資産に登録されています。
2020年に、文化庁の「日本遺産」のストーリー(弥次さん喜多さんの駿州の旅と、滑稽本と浮世絵が描く東海道旅のガイドブック)の、構成文化財の1つに認定されました。
なお、国の名勝としての指定名称と世界文化遺産・構成資産一覧などでは、さ「三保松原」と表記されています。
三保半島は、安倍川から海へと流された土砂が太平洋の荒波に運ばれ、日本平を擁する有度山を削りながら出来た砂嘴です。
何百年にわたり流された土砂が静岡海岸、さらに清水海岸に100メートルを超える幅の砂浜を作り、現在の清水港を囲む三保半島、と三保の松原の砂浜を形成しました。
三保の松原は平安時代から親しまれている三保半島の東側に広がる景勝地で、駿河湾を挟んで望む富士山や伊豆半島の美しい眺めで有名で、歌川広重の浮世絵などにも描かれています。
三保松原は約7kmの海岸に約5万4000本の松が生い茂り、松林の緑、打ち寄せる白波、海の青さと富士山が織りなす風景は歌川広重の浮世絵や数々の絵画・和歌に表現されてきました。
三保松原の一角には、天女伝説で知られる羽衣の松があり、毎年10月には松前で三保羽衣薪能が開催されます。
羽衣の松は御穂神社の神体で、祭神の三穂津彦命(大国主命)・三穂津姫命が降臨する際の依り代とされ、初代「羽衣の松」は1707年の宝永大噴火の際に海に沈んだと伝えられます。
二代目「羽衣の松」は高さ約10メートル、外周5メートル、樹齢650年のクロマツで、立ち枯れが進んだため、2010年10月に、近くにある別の松を三代目の「羽衣の松」に認定して世代交代しました。
世界遺産構成資産の一部であり、パワースポットとしても人気の御穂神社や常世神の通り道である「神の道」も付近にあり、ここを歩けば清々しい気持ちになります。
自転車道も整備され、レンタサイクルで三保半島を一周するのもおすすめです。
2019年3月に静岡市三保松原文化創造センター”みほしるべ”がオープンし、富士山と三保松原、羽衣伝説、三保松原と芸術作品などの深い関わりについて様々な展示がされています。
入口付近には足湯も設置されており、散策した後に松原を見ながら足を休めることもできます。
静岡県静岡市清水区三保
三保松原-日本的情景の原点- (外部リンク)