ホタルブクロ(蛍袋)は、キキョウ科ホタルブクロ属の多年草です。
和名は、子どもが本種の袋のような花にホタルを入れて遊んだことに由来します。
また、火垂る袋が提灯の意味であることから、チョウチンバナの別名もあります。
野山や林など様々な場所に自生し、分布は全国各地の平地から山地にかけてです。
開けたやや乾燥した草原や道ばた、山野の林縁などによく見られます。
山間部では人里にも出現しますが、美しいので山野草として栽培されることも多いです。
冬の間は地上部が枯れますが、春になると芽を出し初夏に花が咲きます。
花期は初夏から夏で、花茎を延ばして上部に数個の釣り鐘型の花を下向きにつけます。
花びらが繋がって袋のような形をしていて、花の色は白や淡いピンク色、紫色です。
花の見頃は初夏の5月から7月にかけてで、初夏の訪れを告げます。
ユニークな花の形から、多くの花愛好家に愛される花です。
非常に強健で育てやすく、半日陰でも花を咲かせます。
春の出る根出葉と、生育してから茎につく葉では形が異なっています。
越年する根生葉には長い柄があり、葉身は披針形から卵形です。
細い地下茎を伸ばしてふえ、開花した株はタネと多数の子株を残して枯れます。
子株は1~2年で親株になり、一度植えれば毎年春に芽吹きます。
花、つぼみ、若苗は、食用にすることも可能です。
花やつぼみは、茹でた後に三杯酢やすまし汁にしたり、ホワイトリカーに漬けて花酒にしたりします。
若苗は、おひたし、和え物、煮びたし、油炒め、汁物の具などに利用されます。
花言葉は、「正義」「忠実」「愛らしさ」「貞節」などです。
いずれも非常に誠実な意味を持つ言葉で、信念を持ち続ける強さや純粋さを象徴しています。
これは、花の形が教会の鐘を連想させることにちなんでいます。

科・属 キキョウ科
ホタルブクロ属
学名 Campanula punctata
英名 Cornish bellflower
和名 ホタルブクロ、蛍袋
別名 チョウチンバナ、提灯花
ツリガネソウ、釣鐘草
アメフリバナ、
カンパニュラ
原産地 日本、中国、朝鮮
花期 5月~7月