サクラソウ(桜草)は、日本に自生するサクラソウ科サクラソウ属の多年草です。
日本のサクラソウ類の代表で、北海道南部、本州、九州の高原や原野に分布しています。
自生地では林間の湿性地や原野の草間に生え、群生することもあります。
園芸の中でサクラソウと呼ばれるの は、日本の自生種の日本サクラソウ(Primula sieboldii)です。
伝統園芸植物の一つで、江戸時代の元禄年間から栽培の記録が見られます。
これらは孫半斗鉢という鉢に3から5芽ずつ植えられ、花壇と呼ばれる5段のひな壇に飾られました。
育種が盛んで品種が多く、現在は300品種を超えるまでに至っています。
園芸店でサクラソウとして売られている植物には、西洋サクラソウ(P. polyanthus)、オトメザクラ(P. malacoides)、トキワザクラ(P. obconica)などがあります。
西洋サクラソウと呼ばれる種類は、プリムラの名で流通していて多くの種類や品種があります。
サクラソウは春の代表的な草花で、桜によく似たかわいらしい花を咲かせます。
春に芽を出し、浅く切れ込みの入った長楕円形の葉を根元から数枚広げます。
4月から5月には、中央から1本の花茎を出して花径2~5cmの数輪の花を咲かせます。
6月ごろには葉が黄ばんで枯れ、夏から秋は休眠しています。
花の色は、ピンク系濃淡、白、紫などの単色のほか複色もあります。
花の表と裏で色が異なる園芸品種も少なくありません。
花色の幅は狭いのですが花形の変化が多く、咲き方も多種多様です。
桜の花びらに似たものや、花弁に切込みあるものなどもあります。
花が咲いた後は、球形の蒴果を結びます。
新しい根茎は地際にでき、梅雨明けのころに葉が枯れて休眠します。
夏の暑さと乾燥には弱いですが、日本の気候風土に合っています。
花言葉は、「初恋」「純潔」「憧れ」「少年時代」「信頼」などです。
「初恋」「純潔」は、早春に咲く可憐な姿が、若く純粋な恋心を想起させることから来ています。
「憧れ」「少年時代」は、開花期間が短いことや春の若々しく眩しいイメージからです。
「信頼」は、厳しい寒さの中でも確実に花を咲かせる強さと、毎年変わらず春の訪れを告げる誠実さに由来します。

科・属 サクラソウ科
サクラソウ属
学名 Primula sieboldii
英名 Primrose
和名 サクラソウ、桜草、
ニホンサクラソウ、
日本桜草
原産地 日本
花期 4月~5月