サツキ(皐月)はツツジ科ツツジ属に分類される植物で、日本固有の花木です。
花色は、赤、ピンク、白のイメージが強いですが、黄色、緑などの色もあります。
狭い意味では、日本に自生する Rhododendron indicum の標準和名です。
R.indicum と近縁多種との交雑から生まれた園芸品種群の、総称として使われることもあります。
サツキという名前は、和名のサツキツツジの略称です。
和名の由来は、他のツツジに比べて1か月程度遅いく、5 – 6月ごろに一斉に咲き揃うところからきています。
別名には、サツキツツジ(皐月躑躅)、トケンカ(杜鵑花)、エイサンコウ(映山紅)があります。
トケンカという名前は、5月がホトトギスの鳴く時期にあたるのが由来です。
エイサンコウとは、真っ赤なサツキが山に自生している姿が映えるという意味から付けられました。
自生するサツキは渓流沿いの岩に根を張るなど生命力が強く、厳しい環境でも美しい花を咲かせます。
ツツジとサツキはよく似ており、間違えてしまうことも多いです。
ただ、開花時期に違いがあり、サツキはツツジの開花に比べ1ヶ月ほど遅くなっています。
また、ツツジに比べると全体的に小さく、花や葉も小さいことから盆栽などで古くから親しまれています。
サツキは丈夫であることから、街路樹や公園樹としても利用されることの多い花です。
街や公園でツツジを見かけることが多く身近にある花ですが、花物盆栽の王様と呼ばれることもあります。
関東から九州の屋久島まで、広い範囲に分布しています。
屋久島では、多数の自生のサツキを見ることができます。
江戸時代中期の元禄の頃、園芸好きの間でツツジがブームになりました。
それにともない盛んに品種改良され、多くの園芸品種が生まれました。
サツキには1500種以上の品種がありますが、自然に自生しているものは絶滅の危機に瀕しています。
園芸用の乱獲やダムの建設が原因で、自然に自生しているサツキはどんどん数が減ってきているからです。
花言葉は、「節制」「節約」「貞淑」「幸福」「協力を得られる」です。
「節制」「節約」は、サツキが山奥や渓流沿いの岩肌などに自生し、厳しい環境にも耐え生き抜く姿からつけられました。
「貞淑」は、生命力が強く身持ちが堅くしっかりしていることに由来します。
「幸福」「協力を得られる」は、渓流沿いに咲くサツキが水に流されないよう、岩や土がしっかり支えてくれていることから来ています。

科・属 ツツジ科ツツジ属
学名 Rhododendron indicum
英名 Satsuki azalea
和名 サツキ、皐月
別名 サツキツツジ、
皐月躑躅、
トケンカ、杜鵑花、
エイサンコウ、映山紅
原産地 日本
花期 5月下旬〜6月上旬