オシロイバナ

 オシロイバナ(白粉花)は、オシロイバナ科の多年草です。

 和名は白粉花(おしろいばな)、別名は夕化粧(ゆうげしょう)です。

 古くから、種の中の白い粉を鼻筋などに塗っておしろいとして遊んできたことが知られています。

 英名は、Four-O’clock(午後4時)とMarvel of Peru(ペルーの驚異・不思議)です。

 Four-O’clockは、午後4時ごろ咲きだし翌日午前中のうちに萎んでしまうことに由来します。

 Marvel of Peruは、原産地の1つのペルーで多く見かけることなど付けられました。

 オシロイバナという名前は、黒いごつごつした種子の中の胚乳が白い粉状で化粧に使うおしろいに似ていたこと来ています。

 南アメリカ原産で、日本には江戸時代始めごろに渡来し、観賞用に栽培されました。

 メキシコを始めとした中南米原産の植物で、種子をつける多年草のため比較的簡単に増やすことができます。

 赤、ピンク、白、黄色などの単色のほか、絞り咲きや染め分けがあり、1茎から異なった色の花が咲きます。

 花の色の種類が多いだけでなく、一株の中で色の違う花をつける咲き分けの品種もあります。

 原産地域では、葉や根を薬草として用いられるなど重宝されてきました。

 また、色水を作れるほどはっきりした色素をもつことから、着色にも活用されています。

 気候上一年草として扱われていましたが、温暖化により宿根草として広く野生化しています。

 一株から異なる色の花をつける様子から、植物学者のリンネが命名する際に付けられました。

 発芽率が高く強壮で、踏まれたり折れたりしても、維管束が断絶しなければ成長を続けます。

 茎はよく枝分かれして、灌木状となるが節がはっきりして木質化はしません。

 花は五裂しますが花弁ではなく萼で、雌しべと5本の雄しべがあり基部は緑色でふくらみます。

 花後に萼は基部を残して脱落し、総苞に包まれた果実が黒く熟します。

 根はいも状ごぼう状で、冬期に凍結しなければ翌春に芽吹いて宿根草となります。

 オシロイバナ属には観賞用に栽培されるもののほか、アンデス山脈周辺でいもを食用にするものもあります。

 根は利尿用や関節炎用の生薬として処方され、葉は切り傷やたむしの治療に用いられます。

 根や葉など全体に有毒成分を含むため、誤って口にしないよう注意が必要です。

 花言葉は、「臆病」「内気」「恋を疑う」などです。

 「臆病」「内気」は、人目を避けるように夕方から咲き始めることが由来です。

 「恋を疑う」は、一株から異なる色の花をつける不思議さや咲き分け品種が浮気を連想させることが理由です。

Dsc 0106

科・属  オシロイバナ科・
     オシロイバナ属
学名   Mirabilis jalapa
英名   Four-o’clock、
     Marvel of Peru
和名   オシロイバナ、
     白粉花
原産地  中南米、メキシコ
開花   7月~10月

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