オオイヌノフグリ

 オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)は、オオバコ科クワガタソウ属の越年草です。

 路傍や畑の畦道などに見られる雑草です。

 特に、湿ったところで多く見られます。

 明治の初めにヨーロッパから日本に伝わってきた帰化植物です。

 草丈が10cm~20cmほどで地面を這うように育ち、とても丈夫で繁殖力が強く、自生する場所は土手や公園、空き地などの日向を好みます。

 花は太陽に反応して咲き、日が暮れるとしぼむ1日花です。開花の時期は長く2~5月と次々と花を咲かせます。

 春の風物詩で、立春が過ぎた頃、陽だまりや暖かい風が地を撫でた時に明るい水色の小さな花を咲かせ、春の訪れを一番にお知らせしてくれます。

 秋に芽を出して他の植物が繁茂しない冬に横に広がって育ち、早春に多数の花をつけ、春の終わりには枯れてしまいます。

 夏の間は種子で過ごし、寒さに耐えるため、細胞内の糖濃度を高める機能を持ち、葉と茎に生える短い毛で雪と霜を遠ざけて保温します。

 その可愛らしさにはホッと和んでしまう姿をみせてくれます。

 和名はイヌノフグリに似てそれより大きいために付けられました。

 イヌノフグリの果実の形が雄犬の陰嚢に似ていることからこの名前が付きました。

 オオイヌノフグリの果実はハート型で、フグリに似てはいません。

 小さな青い瞳が覗いているように見える事からも別名「星の瞳」と言われています。

 和名の瑠璃唐草も風情を感じる名前です。

 花言葉は「信頼」「忠実」「清らか」です。

 学名であるベロニカ(Veronica persica)が、キリスト教の聖書に登場する聖女ベロニカの名前と同じことに由来しています。

 聖女ベロニカは、十字架を背負って歩かされるイエスキリストの額の汗を、自らの白いベールを差し出して拭いました。

 その後、ベロニカのベールにはキリストの顔が映し出されたとされ、ヨーロッパではオオイヌノフグリにはキリストの顔が映るという伝説があります。

1000001819オオイヌノフグリ

科・属  オオバコ科
     クワガタソウ属
学名   Veronica persica
英名   Veronica
     Persian speedwell
     Large field speedwell
和名   オオイヌノフグリ
別名   星の瞳
     瑠璃唐草
     天人唐草
原産地  ヨーロッパ
開花   2~5月
花色   青

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