ローゼル(紅アオイ)はアオイ科フヨウ属の植物で、一年生または多年生の亜灌木亜低木です。
日本では、九州と沖縄以外においては一年草の植物とされています。
ローゼルは、赤い色の果実と茎が際立ち、薄い黄色・ピンク色の花びらと緑色の葉を付けます。
草丈は1.5m前後、花びらは直径10cmほどで、葉には少しぬめりがあります。
紅紫色の茎と掌状に切れ込みのある葉の間に、薄ピンクから白色の花を咲かせます。
その独特の美しさと栄養価で世界中に知られる、アフリカ原産のハイビスカスの一種です。
同じアオイ科フヨウ属に属するハイビスカスの一種ですが、用途がそれぞれ異なっています。
一般的なハイビスカスは観賞用途ですが、ローゼルは食用として使用されることが特徴的です。
原産地についてはアフリ説が有力であるものの、ほかに中国などのアジアという説もあります。
古代エジプトやインドでは、不老長寿の秘薬として珍重されていました。
エジプトでは、ファラオの墓からもローゼルの種が発見されています。
またクレオパトラが、美容と健康のために愛用していたことが知られています。
インドの伝統医学アーユルヴェーダでも、ローゼルは重要な薬草として用いられています。
ローゼルの実は、大きくふくらんだ萼と付け根のトゲトゲの苞を食用にします。
萼と苞をむくと中からローゼルの実が現れ、実を割ると中から小さな種が出てきます。
萼は酸味とフルーティーな風味を持ち、世界中で多種多様な用途に使われています。
古代から不老長寿の秘薬として、また食用や薬用として、広く利用されてきました。
萼片を乾燥させたハーブティーや、ジャム、ゼリー、シロップの材料として一般的に用いられています。
ハーブティーにすると爽やかな味わいが楽しめ、ジャムやゼリーにすると独特の風味を楽しむことができます。
ローゼルティーはビタミンC、クエン酸、アントシアニンなどにより、美肌効果、免疫力向上、疲労回復効果が期待されています。
サラダやカレー料理に若葉を加えたり、萼片を酢漬けにしたりすることもあります。
花言葉は、「常に新しい美」「新しい恋」などです。
これは、毎朝新しい花が美しく咲くことからつけられています。
たった1日しか咲かないという1日花は、毎日新しい花を咲かせます。
科・属 アオイ科フヨウ属
学名 Hibiscus sabdariffa
英名 Roselle
和名 ローゼル
別名 ベニアオイ、紅アオイ
ローゼルソウ
ロゼリ草
ローゼリ草
原産地 西アフリカ、インド、
マレーシア
開花 9~10月