ヤブラン(藪蘭、薮蘭)は東アジア原産の多年草で、紫色をした穂状の小さな花を咲かせる植物です。
キジカクシ科ヤブラン属に属し、別名リリオペ、サマームスカリ、広義でプラティフィルラともよばれます。
リリオペは、ギリシャ神話に登場する水の精霊リリオペに由来しています。
この名前は、ヤブランの花が持つ神秘的な美しさを表現しています。
また、同じキジカクシ科の植物のムスカリに似ているため、サマームスカリという別名もあります。
名前にランとつきますがランではなく、ヤブのような場所に生えランの葉に似ているのが名前の由来です。
細長くその先に花が身についている様子が、中国語の「欄」のように細長く連なっているという説があります。
夏から秋にかけて長い期間花を咲かせるため、庭や公園を彩る植物として人気があります。
濃いグリーンのものから白やクリーム色の斑入りなどがあり、花の色では紫系濃淡や白花もあります。
花のあとには黒紫色の実もできますので、花が枯れてしまってもまだ楽しみがあります。
実の中にある白い種をまた土に植えると、ヤブランを増やしていくことができます。
葉には斑入りのものもありますので、少し珍しいものが欲しいというときは斑入りのヤブランを探してみてください。
日陰に強いだけではなく寒さ暑さにも強く、丈夫ですので植えっぱなしにしていても翌年も花を咲かせます。
昔から日本の庭園によく使用されているため、和風のイメージが強い植物です。
しかし、和にも洋にもよく似合うため、シェードガーデンのグランドカバーとしても使われます。
育てやすい植物ですが、庭に植える時は繁殖力の強さに注意が必要です。
花言葉は、「忍耐」「謙虚」「謙遜」「隠された心」などです。
ヤブランの花が持つ控えめでありながらも美しい姿を表現しています。
「忍耐」は、何かの目標に向かって努力したり継続して欠かさず何かを頑張っている様子から来ています。
「謙虚」は、遠慮がちに日陰にひっそりと花を咲かせる姿から付けられたと言われています。
「謙遜」は、日陰にひっそりと咲くヤブランから連想されています。
「隠された心」は、ヤブランが目立たない場所でひっそりと咲く姿から付けられました。
科・属 キジカクシ科
ヤブラン属
学名 Liriope muscari
英名 Summer muscari、
Big blue lilyturf、
Monkey grass
和名 藪蘭
別名 リリオペ、
サマームスカリ、
プラティフィルラ
原産地 日本、東アジア
開花 8月~10月