ヤブガラシ

 ヤブガラシ(藪枯)はブドウ科ヤブカラシ属のつる性の多年草で、日本ではよく見かける雑草です。

 海外では東アジアから東南アジア、国内では北海道西南部から南西諸島までの低地から低山に分布しています。

 道端、空き地、雑木林の林縁、荒れ地、草原、薮、土手、畑などのいたるところに生えています。

 市街地では線、路の柵、生け垣、公園のフェンスなどによく絡まっています。

 地下に太い根茎があり、ひも状に盛んに地中を這います。

 地下茎を伸ばしているところから芽を出し、巻きひげで絡みつきながらつるを伸ばします。

 葉と対生する巻きひげは他のものに巻き付き、薮を枯らすほどの勢いで繁茂します。

 標準の和名はヤブカラシですが、別名としてビンボウカズラ、ヤブタオシともよばれます。

 名前は、藪を覆って他の植物を枯らすほど元気なことに由来します。

 多年草のつる植物で、長いツルを伸ばして他のものにからみつきながら成長します。

 伸び始めたつる先のやわらかい若芽、葉や巻きひげを取り去った茎の部分は食用にできます。

 アクや辛味が強くえぐみがあり、十分にあくを抜き水晒しをすると食べられるようになります。

 採取時期は4 – 7月ごろが適期とされています。

 花期は6~8月ごろで、花序で5mmほどのオレンジの花を咲かせます。

 花の段階に応じて色が変化し、カラフルできれいです。

 葉腋から花柄を伸ばして偏平な集散花序がつき、多数の淡緑色の小花が徐々に開花します。

 淡緑色の蕾と、オレンジとピンクの花が、ひとつの茎先に混ざり合って見られます。

 2~3か月の長い花期の間、次々と蕾が付き、咲いて、花色が変化していくので、常に3つの色が交じり合っています。

 花盤は蜜が豊富で、蜂や蝶などの昆虫がよく集まります。

 名前は、藪を覆って他の植物を枯らすほど元気なことに由来します。

 放っておくとたちまちはびこり、駆除が困難なため庭や林の厄介物となります。

 花言葉は、「不倫」「攻撃性に富んだ」「積極性のある」などです。

 「不倫」は、ヤブガラシの花の蜜は虫たちに好評で、ハチやチョウなどがたくさん集まるからではないでしょうか。

 「攻撃性に富んだ」は、他の植物を枯らしてしまうほど、どんどん伸びていく様子からつけられたようです。

 「積極性のある」は、ヤブガラシが元気のいい雑草で他の草木を覆って伸びる様子を表しています。

Dsc 0110

科・属  ブドウ科
     ヤブガラシ属
学名   Cayratia japonica
英名   Bush killer
和名   藪枯らし  
別名   貧乏葛
     ビンボウカズラ
     ロウソク花
     ヤブタオシ
原産地  日本、中国、
     マレーシア 
花期   6~8月
花色   緑、オレンジ、ピンク

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