ムラサキカタバミは、カタバミ科カタバミ属の多年草です。
南アメリカ原産ですが、江戸時代末期に観賞用として導入され日本に広く帰化しています。
庭、畑、空き地、樹園地など関東以西に広がり害草化しています。
春になると幅2~4cmほどのハート型の葉を茂らせ、初夏にかけて淡い紫色やピンク色の花を付けるのが大きな特徴です。
見た目は可憐ですが繁殖力が非常に強く、駆除がやっかいな雑草です。
葉はすべて根生して3つの小葉からなり、下面とくに縁近くに淡黄赤色の小点があります。
小葉はハート形で、裏面の基部に黄色い腺点があります。
花も葉っぱも大きめで、花は1.5~2cm程度、葉っぱは花よりも一回り大きいです。
花は主に春~初夏に咲き、葉の間から数個の花柄を伸ばして、先端に数輪を散形花序につけます。
青みのある濃い桃色で花筒部奥は白く抜け、花の中心部に向けて緑色の筋が入ります。
植物体の栄養状態や環境に起因して花色が異なる場合もありますが、同じ環境で育てるとほとんどが同じ花色になります。
花は独特の色合いで美しいですが、雑草のため市販されることはほとんどありません。
ただし、葉にウイルス性の斑入りが入る系統が存在し、この系統のみ流通しています。
花は淡紅紫色で花弁5個径約2cm、やくは白色です。
花期は春から夏で、暖地では冬を除いてほとんど年中開花します。
ピンク色の花びらには赤いスジも入っていて、とても綺麗です。
株元に多数の小さい鱗茎を作り、これが散らばって増えます。
鱗茎から地上に葉と花柄だけを伸ばします。
鱗茎は下部から太いやや透明がかったダイコン状の牽引根を出し、より深く根付く能力を持ちます。
繁殖期は6~7月で、鱗茎と牽引根の間へ微細な小球根をびっしりと付け旺盛に繁殖します。
なお、環境省により要注意外来生物に指定されています。
花言葉は、「心の輝き」「喜び」などです。
「心の輝き」は、カタバミが仏具や真鍮の鏡などを磨くために用いられ、鏡草とも呼ばれたことに由来しています。
またスペインやフランスで、カタバミは「ハレルヤ」と呼ばれているため、そこから「喜び」という花言葉が生まれたそうです。
科・属 カタバミ科 カタバミ属
学名 Oxalis debilis
英名 Violet woodsorrel、
Pink woodsorrel、
Corymb wood sorrel
和名 ムラサキカタバミ、
紫片喰
原産 南アメリカ
花色 薄紫、ピンク
花期 5-7月