ミヤコグサ(都草)は、マメ科ミヤコグサ属の多年草です。
名前は、昔、都に多く自生していたことが由来だと言われます。
都については、京都なのか奈良なのかはっきりしていないようです。
別名のエボシグサ(烏帽子草)の由来は、花の形が烏帽子に似ていることからきています。
大阪城にもこの花が咲いていて淀君が愛したことから、淀君草とも呼ばれます。
生育環境は、日本各地の山域から海岸沿いまで幅広いです。
国内では利尻島から宮古島まで、国外では東アジア一帯に広く分布しています。
さまざまな環境のやせた土地にも強く、育ちやすい植物です。
そのため、緑化やグランドカバーとして利用されることもあります。
特に背の低い草原でよく日の当たるところに多く、岬や田畑周辺に生育しています。
茎は地面を這うように広がり、花は鮮やかな鮮黄色で蝶の形です。
花期が長く、春に咲き始めてから花数を減らしながら初夏まで咲きます。
花は小さく1cmから1.5cm程度で、その形状はマメ科特有の形です。
一つの花茎に1~3輪くらい咲き、花後は2cm程度のインゲン豆のような形状の果実を付けます。
葉は、5枚の小葉がまとまっている奇数羽状複葉です。
冬になると葉は枯れますが、春になるとまた芽吹いてきます。
果実は真っ黒に熟すると鞘が弾けて、そこから種子が飛び散る仕掛けです。
古くから漢方薬としても使われ、全草は薬草酒にして疲労回復のために飲まれています。
また、花には鎮静作用があり皮膚の炎症を抑えると言われます。
花言葉は、「また会う日まで」「きまぐれな心」などです。
「また会う日まで」は、花名のミヤコグサからの連想で、都を離れるときの思いをこの花に託したのではないでしょうか。
「きまぐれな心」は、地面を自由自在に這うように伸びる姿が、気まぐれに旅する心を思わせます。

科・属 マメ科ミヤコグサ属
学名 Lotus japonicus L.
英名 Bird’s foot trefoil
和名 ミヤコグサ、都草
別名 エボシグサ、
烏帽子草
原産地 東アジア
花期 4月~7月