夕方に黄色い花を咲かせ、翌日の朝には黄赤色に変わってしぼんでしまう一日花です。
江戸時代後期から明治時代初期に園芸種として日本へ渡ってきた、一年草の帰化植物です。
待宵草の名は、宵になるのを待って夕暮れから黄色い花を咲かせることから付けられたと言われています。
草丈は10~30cmほどで、花後に長細い種ができて、種の下の方がはじけて飛び散って増えていきます。
別名として「月見草」と呼ばれることもあります。
待宵草と月見草は同じマツヨイグサ属の植物ですが、月見草は白い花が咲く別の植物です。
月見草は夕方から白い花を咲かせ、朝には花びらのふちから段々とピンク色に変わっていきます。
太宰治の「富嶽百景」の中に出てくる名句の「富士には月見草がよく似合う」の月見草は、「黄金色をした」という表現から、本当は待宵草だったのではないかと言われています。
待宵草の学名に含まれるOenotheraの語源には諸説あり、oinos(ぶどう酒)とther(野獣)を語源とし、根にぶどう酒のような香りがあって野獣が好んだという説もあります。
英名ではEvening primroseと呼ばれ、Eveningは夕方や夜を意味し、primroseはサクラソウ(桜草)を意味します。
待宵草が夕方や夜に咲き、黄色いサクラソウと似ているため付けられたと言われています。
花言葉は「浴後の美人」「ほのかな恋」「移り気」です。
夕方から明け方に黄色い中輪の花を咲かせ、花はしぼむと赤色に変色しますが、そんな花の生態から入浴後に頬を赤める女性を擬人化し「浴後の美人」という花言葉が付いたのでしょうか。
また翌朝には花がしぼんでしまうところから、「ほのかな恋」「移り気」という花言葉が付いたとされています。
学名 Oenothera stricta
和名 待宵草(マツヨイグサ)
英名 Evening primrose
科 アカバナ科
属 マツヨイグサ属
原産地 チリ、アルゼンチン
開花期 5月~8月
草丈 10cm~30cm