ホトトギス(杜鵑草)は、東アジアを中心に約20種が分布する多年草です。
油点草という別名もありますが、これは若葉に油が飛び散っているような模様にも見えることに由来しています。
英名のToad lilyはヒキガエルのようなユリという意味で、模様がカエルに似て花弁がユリに似ていることからきています。
日本にもその半数以上の種類が自生していて、毎年花を咲かせます。
山野の崖や傾斜地などの半日陰で適度に湿り、かつ水はけが良い場所を好んで生育しています。
古くから人々に親しまれている花で、秋の茶花としても使われています。
品種によって異なりますが、白い花弁に紫色の斑点が入っているのが特徴的です。
花弁の斑点が、鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから名づけられました。
花は星の形をしていて特徴的な斑点が入り、花は上向きで雄しべが長く花柱が印象的です。
品種によっては、斑点の入らないホトトギスもあります。
たくさん花をつけるわけではないのですが、楚々とした風情があります。
葉は花の割に大きめで、株は立ち上がってから横に広がります。
草丈は40cm〜100cmほどで、1つの枝から1〜3輪ほどに分岐して花を咲かせます。
花も草姿ともに野性味のある姿ですので、自然風の庭でよく用いられています。
水はけさえ良ければそれほど土質を選びませんので、市販の草花用の培養土でも十分です。
軽石小粒や硬質鹿沼土小粒なども使えますが、山ゴケなどを土に混ぜ込むとほどよい水持ちになります。
直射日光が長時間当たる場所だと葉焼けを起こしますので、風通しが良い半日陰で育てます。
花が咲くまでの春先から夏にかけては、適度に日に当てることで丈夫に育ちます。
乾燥しすぎると葉が傷んでしまうため、湿度は50〜60%程度が適切です。
ホトトギスは毎年花を咲かせる多年草ですので、根もどんどん成長していきます。
同じ鉢で何年も育てると鉢の中に根が回りきって育成が悪くなりますので、1〜2年に1度は一回り大きな鉢に植え替えます。
ほかの植物との競争に弱いため、家庭で楽しむ場合は鉢植えでの栽培が向いています。
花言葉は「秘めた思い」「永遠にあなたのもの」などです。
ホトトギスは晩夏から晩秋まで長い期間花を咲かせ続けることに由来しています。
「秘めた思い」は、ホトトギスが日陰のやや湿った場所で花を咲かせることからきています。
「永遠にあなたのもの」は、晩夏から晩秋まで可憐な花を咲かせ続ける姿からつけられました。
科・属 ユリ科・ホトトギス属
学名 Tricyrtis
英名 Toad lily
和名 ホトトギス、杜鵑草
別名 油点草
原産地 日本、台湾、朝鮮半島
開花 7月~10月