フヨウ(芙蓉)は、アオイ科フヨウ属の落葉低木で、幹は高さ1~4mになります。
古来からフヨウの花の優しい花姿は、しとやかで美しい女性の例えに用いられています。
芙蓉はハスの美称でもあるため、これと区別するときは木芙蓉とも呼ばれます。
中国の中部を原産とし、日本では九州、四国南部、沖縄沿海地に野生化して自生しています。
ハイビスカスの仲間で、夏から秋にかけて咲く鮮やかな花を観賞します。
日当たりのよいところを好み、暖地の海岸に近い林などでたまに見かけます。
関東地方以南では観賞用に栽培され、庭木、公園樹、街路樹としても植えられています。
7~10月初めにかけて、ピンクや白で直径10~15cm程度の花をつけます。
朝咲いて夕方にしぼむ1日花で、長期間にわたって毎日次々と開花します。
花弁は5枚あって回旋して、椀状に広がります。
先端で円筒状に散開するおしべは、根元で筒状に癒合しています。
その中心部からめしべが延び、おしべの先よりもさらに突き出して5裂します。
葉はとても大きく手のひらのような形をしていて明るい緑色で、冬前に落葉して越冬します。
果実は蒴果で、毛に覆われて多数の種子をつけます。
果実が熟すると上向きに5裂し、種子を出します。
花の後に実る果実をつけた姿は風情があり、立ち枯れた状態は枯芙蓉と呼ばれます。
寒地では冬に地上部は枯れ、春に新たな芽を生やします。
樹皮は灰白色から淡褐色をしていて、滑らかで縦に筋や皮目があります。
木全体としての樹形は、放射状に広がるように伸びて柔らかな雰囲気があります。
排気ガスに強く、どんな環境でも力強く花を咲かせることができます。
花が大きく華やかで、夏から秋にかけて毎日花を咲かせ長い期間楽しむことができます。
花言葉は、「繊細な美」「しとやかな恋人」などです。
「繊細」「しとやか」は、美しい女性の姿を思わせます。
美人を例える言葉として、芙蓉のかんばせと使用されることがありました。
科・属 アオイ科フヨウ属
学名 Hibiscus mutabilis
英名 Cotton rosemallow
和名 フヨウ、芙蓉、
木芙蓉
原産地 中国
開花 8月~10月