ヒガンバナ

 ヒガンバナ(彼岸花)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で球根植物です。

 彼岸花の名は、秋の彼岸ごろ突然に花茎を伸ばして鮮やかな紅色の花が開花することに由来します。

 道端、人里に近い川岸、田のあぜ道などに群生し、夏の終わりから秋にかけて花を開きます。

 別名には、曼珠沙華、カミソリバナ、シビトバナ、トウロウバナなどがあります。

 曼珠沙華は、サンスクリット語で葉に先立って赤い花を咲かせるという意味から名付けられたそうです。

 日本では各地方のみで通じた異名が派生し、別名・地方名・方言は数百から1000種以上あるようです。

 学名のLycorisは、ギリシャ神話の女神・海の精であるネレイドの1人であるLycorias からとられました。

 英語では、Red spider lily、Spider lily などの花名があります。

 原産地は中国大陸で、日本においては史前帰化植物に分類され日本全国に分布しています。

 秋の彼岸の頃に、花茎の先に強く反り返った鮮やかな赤い花を咲かせます。

 球根から花が出てきて、その花が枯れた後に葉が成長します。

 地中で眠っていた彼岸花が鮮やかに花開く光景を見ることができます。

 長く直立した茎の先に、丸く星のように広がるとても鮮やかな赤色の花びらが特徴です。

 開花してから約1週間と花の寿命は短いですが、秋の風物詩としての儚い美しさが愛されています。

 花軸が伸びる前に葉が全部枯れるため、茎に花だけついたというような独特な印象です。

 花と葉を同時に見ることができないことから、葉見ず花見ずと言われました。

 秋の終わりに葉が伸び翌年の初夏に枯れるという、多年草として特殊な性質を持っています。

 冬から春には葉が繁り、花をつけない寒い季節にしっかり栄養を球根に貯えています。

 春に芽を出し夏に葉を繁らせ秋に枯れるのでなく、逆に冬に葉を繁らせ春に枯れ秋に花を咲かせます。

 地下の球根に強い毒性を有する有毒植物ですが、かつて救荒作物として鱗茎のデンプンを毒抜きして食べていました。

 有毒植物ですので、田畑のあぜ道に植えて害獣の被害を抑えたりお墓の周りに植えて遺体を守ったりするために使われました。

 花言葉は、「独立」「情熱」「悲しい記憶」「諦め」です。

 彼岸花の持つ美しさと毒性という相反する側面を表し、人々の複雑な感情を反映しています。

 「独立」「情熱」は、強い意志や前向きな希望を象徴しています。

 「悲しい記憶」「諦め」は、お彼岸の時期に故人を想う切なさを感じます。

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科・属 ヒガンバナ科ヒガンバナ属
学名  Lycoris radiata
英名  red spider lily
    Hurricane lily
    Red magic lily
和名  ヒガンバナ(彼岸花)、
    リコリス、
    マンジュシャゲ
    (曼殊沙華)、
    レッドスパイダーリリー、
    しびとばな(死人花)、
    かみそりばな(剃刀花)、
    きつねばな(狐花)
原産地 中国、日本
開花  7~10月ごろ

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