ハルジオン(春紫苑)は、キク科ムカシヨモギ属に分類される二年草もしくは多年草です。
春になると茎を立ち上げて、背の高さが30 ~ 100cmになります。
秋のうちに芽を出して、葉を地面に広げてロゼット状になって冬を越します。
ヒメジョオン(姫女苑)と共に道端や空地でよく見かける雑草ですが、キク科シオン連シオン属のシオンとは全く別種です。
春に咲くキク科のシオンという意味で、別名、ハルジョオン(春女苑)、ビンボウグサ(貧乏草)ともよばれます。
植物学者の牧野富太郎博士は、同類のヒメジョオンとの類似からハルジョオンの名が普及している、としています。
北アメリカ原産で、日本を含めた東アジアに外来種として移入分布しています。
日本では、北海道・本州・四国・九州に分布がみられ、大正時代に北アメリカから渡来して帰化し、各地で野生化しています。
牧草地や畑、道端など窒素分の多い場所を好んで生育します。
繁殖力が強く、市街地から農地まで分布し、日当たりの良い道端や空き地、荒れ地、田畑のまわりなど、雑草としていたる所で見られます。
根元にはへら形の根出葉があり、長いへら形あるいは長楕円形で、花の時期にも残ることが多いです。
葉と茎は黄緑色で、長楕円形またはへら形で、まばらに毛が生えます。
花期は春(4 ~ 6月で、茎はあまり枝分かれせずに伸び、先の方で何回か枝分かれして、淡紅色を帯びた白い花をつけます。
花蕾のうちはうつむいていて、開花すると上を向きます。
頭花は周囲にごく細い白色から淡紅色の舌状花を持ち、舌状花は細長く多数つきます。
果実は倒披針形の痩果で、舌状花・筒状花ともに果実より長い汚白色の冠毛がついています。
若苗、やわらかい茎葉、蕾、花などは食用に利用できます。
葉、茎、新芽や若芽、蕾など大半が可食部位で、7月から翌年4月まで採取できます。
シュンギクのようなほろ苦さとほのかな香りと風味がありますが、やや灰汁があるため茹でてから十分に水にさらして使います。
野草と同じように生で天ぷら、茹でておひたしや和え物、煮浸し、油炒め、汁の実などにして食べることができます。
花言葉は、「追想の愛」です。
ハルジオンは開花すると上を向きますが、つぼみの状態だと下を向いています。
この姿が、過去の恋愛を思い返している人のように見えることに由来しています。
言葉で伝えるのは気恥ずかしさがありますので、自分の気持ちを言葉ではなくお花で伝えたい時に役立ちます。
なお、過去の愛に囚われ前に進めないという、悲しいイメージを持つことがあります。
科・属 キク科
ムカシヨモギ属
学名 Erigeron
philadelphicus
英名 Philadelphia
fleabane
和名 春紫苑
ハルジオン、
ハルジョオン、
ハルシオン
原産地 北アメリカ
開花 4月~6月