ハゲイトウ

 ハゲイトウ(葉鶏頭)は葉が美しいケイトウの意味で、秋の花壇を彩る葉の色合いが魅力です。

 ヒユ科ヒユ属の一年草で、花を観賞するケイトウ属とは属が異なります。

 花を楽しむ植物ではなく、色づいた葉を楽しむ観葉植物です。

 ハゲイトウの花は葉腋と茎の間に丸く固まった花序ができ、その中に密生してとても小さく咲きます。

 古くは雁来紅ともいわれ、ガンやカモなどの渡り鳥が飛来する10月ごろに色づくとされていました。

 現在では品種の選抜が行われ7~8月の高温期に色づきますので、雁来紅はあまり使われなくなりました。

 夏の炎天下において、葉が明るく派手で魅力的な色彩に染まります。

 気温が35~40℃になろうとも、夏バテ、熱中症に無縁の耐暑性を持ち、乾燥にも強いです。

 秋になるとその花序に種が実り、種は直径1mmほどで黒色でツヤツヤしています。

 そのままにしておくと、次の年にこぼれ種でけっこう発芽する強い生命力を持っています。

 しかし、寒さにはめっぽう弱く、10℃以下の気温では終了となります。

 春に種をまいて夏に楽しむ草花は、熱帯域に故郷を持つ植物であることが多いです。

 ハゲイトウの原生地は熱帯アジアということですが、地域は定かではありません。

 英語でJoseph’s coaともいわれ、Josephは旧訳聖書のヤコブの子、ヨセフのことです。

 ヤコブは誰よりもヨセフを愛し、派手な衣装を身に付けさせたといいます。

 中国では宋時代には渡来しており、江戸時代初期には日本でも栽培されていました。

 いくつかの品種があり、葉が緋赤や黄の単色のものと、赤、橙色、黄の複色になるものがあります。

 変種のヤナギバケイトウは、細長い葉でだいぶ印象が異なります。

 ハゲイトウの変種にヒユがあり、古くから食用に栽培されています。

 赤系は芽生えのときから葉が赤紫色で、8月ごろから新葉が赤く色づきます。

 黄色や複色のタイプは、最初 のうちは緑葉で、中間もあります。

 葉色は秋の深まりとともにいちだんと色が冴えてきますので、秋の風景を演出するには好適な材料です。

 変化に富んだ動きの感じられるダイナミックな草姿がひときわ目立ちます。

 花は葉のつけ根に固まって咲き、葉に隠れてほとんど目につきません。

 花言葉は、「不老不死」「情愛」です。

 鮮やかな色合いや形状に由来し、「不老不死」は花が長持ちすることから、永遠の生命力を象徴しています。

 「情愛」は赤やピンクの色合いが深い愛情や情熱を表現しています。

1000001983ハゲイトウ

科・属  ヒユ科ヒユ属
学名   Amaranthus tricolor
英名   Tampala、
     Joseph’s coat
     Summer poinsettia
和名   ハゲイトウ、
     葉鶏頭
別名   カマツカ、
     ガンライコウ、
     雁来紅
原産地  熱帯アジア
花期   8月〜11月

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