ニシキギ(錦木)は、北海道から九州までの幅の広い範囲に分布するニシキギ科の落葉樹です。
錦のような織物に例えて錦木と名付けられ、秋の紅葉の美しさに魅力があります。
山地、丘陵、人家に近い林の中にも自生し、庭木として庭園や公園にも植栽されています。
スズランノキ、ニッサボクと並ぶ世界三大紅葉樹の一で、別名、ヤハズニシキギ、カミソリノキとも呼ばれます。
日本以外のアジア東北部にも分布し、漢名は衛矛=えいぼう、鬼箭=きせんといいます。
葉は長さ2~7cmの楕円形で、先端が尖り縁には細かなギザギザがあります。
10月頃の紅葉は格別ですが、春の新葉は山菜として食べられます。
開花は5~7月で、その年に伸びた枝葉の脇から伸びる短い柄に淡い緑色の花を数輪ずつ咲かせます。
花は直径6~7mmほどで見付けにくいですが、雌雄同株で一つの株に雄花と雌花が混在し雄花に黄色い葯が目立ちます。
小さな果実は蒴果で、秋の深まりとともに熟して自然に破裂し、中からオレンジ色の仮種皮に包まれた種子一粒が顔を出します。
この種子はトリグリセロールという有毒成分を含み、人間が食べると腹痛、嘔吐、下痢などを引き起こします。
食用になりませんが、便秘薬やアタマジラミやケジラミの駆除薬などとして使われていました。
枝は奔放に伸びますので、樹形を維持するには刈り込みが欠かせません。
緑色の若い枝には、浅い土色でコルク質の翼がある特徴的な枝をもちます。
このコルク質の翼をを刃物や矢になぞらえ、カミソリノキとか鬼の矢柄などの呼び名もあります。
栽培は比較的容易で、繁殖は播種または挿し木で行います。
芽吹きもよく、刈り込みにも耐え仕立てものや生け垣として活かされます。
花言葉は、「あなたの魅力を心に刻む」「危険な遊び」などです。
「あなたの魅力を心に刻む」は、奥州での習慣から男性が好きな女性に想いを伝える方法として使われたことに由来します。
また、この習慣は不倫にも使われていましたので、「危険な遊び」が連想されます。
科・属 ニシキギ科・ニシキギ属
英名 Winged Spindle Tree、
Winged Burning Bush
学名 Euonymus alatus
和名 ニシキギ、錦木、
別名 ヤハズニシキギ、
カミソリノキ
原産地 日本、朝鮮半島、中国
開花 4月~6月