中国中南部や日本の東海から九州に自生する、グミ科グミ属の常緑低木です。
名前は、稲の苗代(ナワシロ)を準備するころに実が赤く熟すことに由来します。
別名は、タワラグミ、トキワグミで、それぞれ、実の形が俵のようであること、常緑樹であることからつけられました。
また、盆栽ではカングミと呼ばれるとのことです。
10~11月ごろに花が咲き、その後実をつけて翌年の4~5月に熟す常緑低木樹です。
稲の苗代を準備するころに実が熟すので、ナワシログミと名づけられました。
グミは実を口に含みタネを出すことから含実(ククムミ)とした、渋みがあるのでえぐみからグミになった、あるいは、グイ(刺)の多い木になる実としてグイミ、などの諸説があります。
葉には光沢があり波打っていて、細長い楕円形で長さ5~9cm 幅2.5~3.5cmほどの大きさです。
裏全面は白くなっていて全体に茶色の点々がついており、鱗のような形の毛で鱗状毛とよばれるもので、表面にもついていてグミ類の葉の特徴となっています。
枝は強くて折れにくく若い枝は褐色の鱗状毛に覆われ、小枝は刺に変化しやすく、葉腋にも小さな刺がつきます。
樹高は2〜3mで、樹皮は灰褐色、丸い小さな皮目が多く、古くなると縦に割れ目が入ってはがれ落ちます。
常緑で刈込みにつよいため、生垣に植えられるほか盆栽にもされています。
材は緻密で衝撃につよいため、玄翁(ゲンノウ)やノミなどの道具の柄に使われてきたようです。
ナワシログミの花言葉は、「心の純潔」「冬の祈祷」です。
「心の純潔」は、枝のトゲで守られながら咲く俯いた白い花を、欲望を寄せ付けず清く慎ましい心に見立てました。
「冬の祈祷」は、冬間近の11月頃に咲く俯いた花は、まるで冬に向け祈りを捧げるようです。
科・属 グミ科・グミ属
和名 ナワシログミ(苗代茱萸)
英名 Silverberry Oleaster
学名 Elaeagnus
原産地 東アジア
開花期 4月~5月