ドクダミは、日本や東アジアを原産とするドクダミ科ドクダミ属の植物です。
日本から中国、ヒマラヤ、東南アジアにかけての広い地域に分布しています。
やや湿り気のある林床や日陰地に生育している多年生の草本植物です。
全草にアルデヒド由来の特有の臭気があり、地下に細長く白い地下茎が横に伸び、盛んに分枝しています。
別名が多く、ドクダミソウ、ドクダメ、ギョセイソウ、ジゴクソバ、ウマゼリなどと呼ばれます。
いくつかの種類が存在し、代表的なものには八重咲きのヤエドクダミや、斑入りの葉を持つゴシキドクダミです。
これらの品種は観賞用途で栽培され、個々に特有の特徴を持っています。
花は6~7月頃に咲きますが、穂状につく花はとても小さく、花びらやガクはありません。
これらはまるで一つの花のように見えますが、花びらに見えるものは花序の基部につく葉が変化した総苞です。
ジメジメとした梅雨の時期に、日の当たらない日陰の場所を一面覆い尽くすように白い花を咲かせます。
日本では雑草に近い存在ですが、外国では花壇や庭園を彩る園芸植物として活躍しています。
独特の強い香りを持つ薬草で、毒を抑えるという意味の毒矯め=ドクダメが転じて「ドクダミ」になったという説があります。
ドクダミ自体に毒はなく、古くから民間薬として利用され、生薬としては十薬とよばれます。
別名、十薬とも呼ばれ、十の毒を解毒するほどさまざまな病気や怪我に用いられてきました。
日本では雑草として身近な存在ですが、ゲンノショウコ、センブリとともに日本の三大民間薬の1つとされます。
薬用の他に、どくだみ茶や食用、園芸用などに利用されることもあります。
どくだみ茶に含まれるクエルシトリンには、利尿作用や老廃物を体外に排出する働きがあるとされています。
どくだみ茶のデトックス作用により体内の代謝を高め、体のすみずみまで栄養成分が届くようになります。
強烈な匂いの成分は、デカノイルアセトアルデヒドと呼ばれる精油成分のひとつです。
強い殺菌効果を持ち、擦り傷などの傷の手当てをはじめ高血圧や動脈硬化を抑制する薬草としても用いられてきました。
花言葉は、「白い追憶」「野生」「自己犠牲」です。
「白い追憶」は、古くから薬草として擦り傷の手当てに使われ、清らかな思い出を思い起こさせることに由来します。
「野生」は、日が届かない場所でも力強く繁殖するその生命力の強さに由来します。
「 自己犠牲」は、一見怖いように思いますが、ドクダミが古くから身を挺して解毒してくれる薬草として使われたことに由来します。
科・属 ドクダミ科ドクダミ属
学名 Houttuynia cordata
英名 chameleon plant
和名 どくだみ
別名 ドクダメ(毒溜め)、
ギョセイソウ(魚腥草)、
ジゴクソバ(地獄蕎麦)
その他 十薬、アンチドーテ
原産 東アジア