トベラ科トベラ属のトベラ(扉・海桐)は、別名をトビラノキ(扉木)といいます。
春に白い花をつけるトベラは、海岸付近に自生するトベラ科常緑低木です。
トベラの和名はトベラノといい、トベラノキは漢字で「扉の木」と書き、古くは扉をトベラと呼んだことからトベラノキになったといわれています。
日本では東北地方南部以南で主にみられますが、韓国や台湾、中国の南部でも海岸付近で自生しています。
和名の「扉の木」は、日本各地で伝わる厄除けの風習・節分に由来します。
節分ではにおいのきついものを玄関にぶら下げる風習がありますが、これには鬼を追い返す意味があります。
トベラのにおいもきついので、「節分で扉にぶら下げる木=扉の木=トベラノキ」と意味が転じたのが由来です。
ある病気にかかった女性を意味する隠語として使われることがあります。
乾燥や潮風に強く、街路樹として植えられることが多い常緑低木です。
秋には実が三つに裂け、粘着質の真っ赤な種が出てきます。
日本では節分になると、本種の枝を鬼除けの意を込めて扉に挟んでいました。
開花時期は4月~6月で、花色は白色から黄色に変化し、花が咲き終わると真っ赤な実をつけます。
春の季語として「トベラの花」、秋の季語に「トベラの実」です。
トベラの花言葉は花と実でそれぞれ違い、花は「慈しみ」、実は偏愛」です。
「慈しみ」は、海岸付近で自生するトベラの花が反り返った葉に包まれるようにして咲く様子から連想したものです。
「偏愛」は、完熟した実にはにおいがなく鳥たちのエサになり、しかも種には粘液があり鳥たちのくちばしにくっつき、種は遠くまで運ばれる様子からつけられたものです。
英語 Japanese Cheesewood
学名 Pittosporum tobira
和名 扉
別名 トビラノキ(扉木)
科属名 トベラ科トベラ属
原産地 日本、南朝鮮、台湾
季節 春の季節