ツバキ(椿)

 ツバキは日本原産で、万葉集にも記述があり、古い時代より日本人から親しまれてきました。

 日本原産のヤブツバキ(別名:ヤマツバキ/山椿)がその代表で、日本海側の多雪地帯の山地に分布するユキツバキ、久島などに自生するヤクシマツバキが知られています。

 西欧では「日本のバラ」と称されたほど、世界的にも日本のイメージが強くもたれている花です。

 ツバキは冬になってもつややかな常緑の葉を落とさないことから「強葉木(ツバキ)」とつけられたという説があります。

 また、つややかな葉の木から「艶葉木(ツヤハキ)」、また肉厚な葉の形状から「厚葉木(アツバキ)」といった由来があるといわれています。

 今現在使われている「椿」という文字は春に花が咲く木という日本独自の国字ですが、実際は春というよりも冬に花が咲きます。

 ツバキはツバキ科に属する植物で、ツバキ科はツバキの他、ツバキとそっくりなサザンカ、お茶の葉が取れるチャノキもこの仲間です。

 ツバキは一年中緑の葉っぱを保つ常緑樹で、低木が多いですが、それより少し大きい小高木になる木もあります。

 ツバキの樹皮は灰白色、葉は長楕円形で葉縁には細かい鋸歯があり互生します。

 葉質は厚く、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色をしています。

 花期は品種によって11月~3月頃に咲き、花ごとポトリと落ちる特徴があります。

 果実は初夏頃に球形の蒴果をつけます。

 花の少ない冬に美しい花を咲かせることから茶花としても重宝され、盛んに園芸品種の作出が行われてきました。

 ツバキの種子から採集される椿油は、化粧品や食用のほか、医療用や機械油としても利用されています。

 固くて狂いが少なく、木目が目立たず、均一な材が取れます。

 摩耗に強く、割れも少なく、なかなかすり減ることがなく、磨くとツヤが出るので、漆器・直国の材料・工芸品などに用いられます。

 昔は大木もあったのですが、ほとんど伐採されてしまったので、今では大木の入手は難しくなっています。

 ツバキの花言葉は「控えめな優しさ」「控えめなすばらしさ」「誇り」です。

 ツバキの花の色は白やピンク、赤があり、その色によって花言葉が変わります。

 「椿」といえば赤色のイメージなので、「椿」全般の花言葉と同じものが多いです。

 英語の花言葉は、「You’re a flame in my heart」で、日本語にすると「あなたは私の胸のなかで炎のように輝く」という意味です。

 「控えめな優しさ」「控えめなすばらしさ」は、謙虚を美徳とする日本人らしい花言葉ですが、実際の由来は、華やかな外見に反し香りがしないことにあります。

 「誇り」は、西欧において「日本のバラ」とも称えられたその美しさにちなんでつけられた花言葉です。

Img 20230330 061107 710ツバキ

科・属  ツバキ科ツバキ属
分類   常緑性高木
植付   3月中旬〜4月、
     9月中旬〜10月中旬
開花   11〜12月、2〜4月
剪定   3〜4月
置場   西日を避け日当たり
     よい場所
肥料   元肥・追肥:必要

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