スプレーマム

　菊の花には日本で古くから親しまれてきた和菊と、西洋が原産地の洋菊があります。

　スプレーマム（スプレー菊）は洋菊で、キク科キク属に属する多年草の植物です。

　アメリカで1940年代に品種改良され、スプレー状に花をいくつも咲かせ明るい花色が特徴となっています。

　その後ヨーロッパへ渡り、日本に導入されたのは1974年です。

　愛知県豊川市の、現、ＪＡひまわりが、日本で最初に導入しました。

　輪菊と比べ栽培の手間がかからず栽培期間も短く省力化可能で、徐々に増産され全国に広がりました。

　白や黄色といったキクならではの色だけでなく、ピンク、赤、オレンジ、緑などたくさんの色を楽しめます。

　一般的な一重咲きのほか、アネモネ咲き、ポンポン咲き、スプーン咲きといった花型があります。

　アネモネ咲きは、咲き進むにつれ中心が盛り上がり、形、色の変化を楽しまる花形です。

　ポンポン咲きは、筒状の花びらが咲き揃うとこんもりとした半球状になる咲き方です。

　スプーン咲きは、花びらの根元から中間が巻いたような形で花開き先端が広がった咲き方です。

　スプレーマムは日が短くなると蕾をつけて花を咲かせる性質があり、秋になると美しく咲きます。

　丈夫で育てやすく花もちも良く、鉢植え、庭植え、切り花として広く使われています。

　挿し木で増やすことができ、草丈は60～90㎝ほどにもなります。

　日光を好み真夏以外は日当りの良い場所で管理し、冬は霜に当たらない場所であれば冬越しできます。

　花持ちが良く花色・花形はバラエティーに富んでいますので、様々なシーンで使用されます。

　マムというのは欧米で品種改良されたキク科の花のことで、古来から日本に存在する和菊以外の洋菊を言います。

　お花屋さんでは、西洋菊をマムと呼んでいることが多いようです。

　スプレーマムの仲間には、たくさんの種類があります。

　クッションマムは、ピンクッションの針山のようにドーム状に花が詰まって咲きます。

　ポットマムは、背が高くならず鉢植えのポットで育てるのに向いているタイプです。

　花言葉は、「高潔」「清らかな愛」などです。

　「高潔」は、菊の気高く気品に満ちた花姿にちなんでいます。

　「清らかな愛」は、シンプルな形の花びらがたくさん集まって美しい花をつくっている姿からつけられました。