シモツケ(下野)

 バラ科シモツケ属の落葉低木で、日本、朝鮮半島、中国に分布します。

 5月から8月にかけて、枝先に半球状の花序をつけて、小さな紅色や白色の花を咲かせます。

 属名の学名「Spiraea(スピラエ)」は、ギリシア語の「speira(螺旋、輪)」を語源とし、果実が螺旋状をなす種があることに由来するといわれます。

 和名の「下野(シモツケ)」は、最初に下野国(栃木県)で発見されたことにちなむといわれます。

 また、花姿が霜が降りたさまに似ていることに由来するという説もあります。

 昔、中国の戦国時代、繍線(しゅうせん)という少女がいました。

 彼女の父親は敵国で捕らえられてしまいました。

 繍線は父親を助けるために男装して敵地を訪れましたが、父親は既に病死していたのです。

 彼女は父の墓のかたわらに咲いていた花を持ち帰り、庭に植えました。

 するとその植物は毎年美しい花を咲かせました。

 人々は親孝行な少女の名をとってその花を「繍線菊(しゅうせんぎく)」と呼んだそうです。

 花の色や葉の色が変化した園芸品種も多くあります。

 シモツケは丈夫で育てやすく、庭木や鉢植え、切り花などに利用されます。

 シモツケの名前は、最初に下野国(現在の栃木県)で発見されたことに由来します。

 花言葉は「はかなさ」「無駄」「無益」です。

 「はかなさ」は、花びらよりも長いおしべが花をおおうことによって、おぼろげな印象を感じさせることからつけられたともいわれます。

 「無駄」「無益」は、父に会うことができなかった少女の悲しい言い伝えに由来するといわれます。

科・属   バラ科シモツケ属
学名   Spiraea japonica
和名   下野(シモツケ)
別名   木下野(キシモツケ)
英名   Japanese spiraea,
     Japanese
      meadowsweet
原産地  日本、朝鮮半島、中国
開花   5月~8月

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