グラジオラス

 グラジオラスは夏花壇を彩るポピュラーな花の一つで、アヤメ科グラジオラス属の植物です。

 特徴は、剣のようなとがった葉とすらりと伸びた花穂と、横向きに整然と並ぶいくつもの花です。

 名前は、古代ローマの剣であるグラディウスに由来し、葉が剣に類似しているといわれます。

 日本では明治時代に輸入され、栽培が開始されました。

 横向きに整然と並んで次々に咲き上がる様子は壮大で、花壇の中でも特に目を引きます。

 すらりと伸びた花穂と剣のような形の硬い葉が特徴です。

 南アフリカを中心として、欧州、西アジア、マダガスカルに180種ほどの原種が自生しています。

 このうち熱帯アフリカや南アフリカの10種類ぐらいの種がもとになって、多数の園芸品種が育成されています。

 日本には自生種はなく、園芸植物として植えられています。

 日当たりのよい場所で育て、鉢植えの場合は雨のあたらない場所、地植えの場合は水はけがよい場所で育てます。

 春に球根を植え、夏の7~8月にかけて、赤、黄、橙、白などの花を開花します。

 花色のバラエティーが非常に豊富ですが、大きく分けると大輪のグランディフロラ系と小輪のピクシオーラ系とがあります。

 花弁もフリンジ咲き、平弁咲き、反転弁咲き、受け咲きなどがあります。

 花の大きさも、巨大輪から極小輪咲きまであり、非常に豊富です。

 豊富な色、咲き方、大きさの花が人気の理由になっています。

 球根は茎が変形した球根で、一つの球根にいくつもの成長点をもっています。

 球根は毎年新しく更新され、さらに新球のまわりには木子と呼ばれる豆粒大の小さな球根がたくさんできます。

 夏に咲くグラジオラスの別名は「オランダあやめ」で、夏を表す季語となっています。

 春植え球根として流通しているものが一般的ですが、一部の原種には秋植え球根で春に開花するものもあります。

 薬用には、グラジオラスの根が外用の湿布薬の材料に使われています。

 花言葉は、「密会」「用心深い」「思い出」「忘却」「挑発」「勝利」などです。

 「密会」「用心深い」は、古代ヨーロッパにおいて人目を忍んで会っていた恋人たちが、グラジオラスの花の数で密会の時間を知らせあっていたことが由来といわれます。

 「思い出」「忘却」は、ナポレオン戦争や革命などで国が荒れ多くの血が流されるという辛い思い出を早く忘れたいことが由来といわれます。

 「挑発」「勝利」は、グラジオラスの葉の形が剣のような形であることから、戦いをイメージさせたことによるものといわれます。

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科・属  アヤメ科
     グラジオラス属
学名   Gladiolus Tourn
英名   Gladiolus、
     Sword lily
和名   グラジオラス
別名   トウショウブ、
     唐菖蒲、
     オランダアヤメ、
     阿蘭陀菖蒲
原産   南アフリカ、
     地中海沿岸

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