カサブランカ

 真っ白で優美な花姿と強く甘い香りが特徴的で、日本だけではなく海外でも冠婚葬祭やプレゼントなどによく使われている人気が高い植物です。

 日本のユリを原種として1970年代オランダで品種改良がなされ生まれた、オリエンタル・ハイブリッドと呼ばれる種類のユリのひとつです。

 明治維新頃は、花が大きいと人気のあったヤマユリなどを、日本からヨーロッパへ輸出していたそうです。

 カサブランカの生みの親のひとつとも言えるタモトユリは、鹿児島県トカラ列島の口之島に自生していた種類のユリですが、球根を乱獲され絶滅してしまいました。

 カサブランカの名はスペイン語の「casa」(家)と「blanca」(白い)が合わさったもので、「白い家」という意味が含まれています。

 開花時期は6~8月頃ですが、6~7月頃が見頃の時期です。

 花は真っ白で大きく、花もちが良く、上品で豪華な花姿から人気があり冠婚葬祭やプレゼントの花束にも多く使われます。

 白いユリはヨーロッパでは聖母マリアの象徴として愛され、カサブランカの純白の花色は汚れ無き美しいイメージがあります。

 葉は花と同じく他のユリより大きくて肉厚で艶がある濃い緑色で、長さは15㎝ほどあり先が細くとがったボート形をしています。

 なお、モロッコ王国最大の都市にカサブランカがあり、モロッコの商業・金融の中心地ですが、花卉のカサブランカとは関係ありません。

 白いカサブランカの花言葉は「純粋」「無垢」、赤いカサブランカの花言葉は「虚栄心」「優しさ」、ピンクのカサブランカの花言葉は「富と繁栄」です。

 「純粋」「無垢」は、真っ白な大輪の花という風貌と、甘美な香りからつけられたものです。

 「虚栄心」「優しさ」は、基本色である無垢な白の派手な色合いと、一方、包み込むような優し気な風貌からつけられたのではないでしょうか。

 「富と繁栄」は、ピンクという色の幸せそうなイメージから付けられたのではないでしょうか。

 なお、黄色のカサブランカの花言葉は「陽気」「裏切り」、紫色のカサブランカの花言葉は「復讐」「恋」ですので、冠婚葬祭やプレゼントでは注意も必要です。

科・属  ユリ科・ユリ属
和名   カサブランカ
英名   Lily
学名   Lilium’Casa Blanca’
原産地  ヨーロッパ
開花期  6月~8月

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