エニシダ

 エニシダは、マメ科エニシダ属に属する常緑または半常緑の低木です。

 春になると黄色い花を咲かせ、その清楚な美しさで多くの人を魅了します。

 日本では、金雀枝や金雀花と書いてエニシダと呼ぶことが多いです。

 エニシダの花が放つ鮮やかな黄色は、金色の雀を思わせるためです。

 和名は、属名Genistaのオランダ読みエニスタが転訛したとされます。

 英名はBroom(箒)といい、体を浄化するものとしての有用性を示しています。

 束ねて箒にすることから、スコッチ・ブルームともよばれます。

 地中海沿岸を原産とし、各国で公園や家々の庭などで見かけます。

 1600年代に、オランダ船により長崎へ持ち込まれたとされています。

 海岸沿いの温暖な砂地の庭木や、公園用樹として植えられています。

 道路法面などの緑化や、砂防用に植えられることも多く見かけられます。

 樹の高さは2~3mほどに成長し、3~5月にかけて開花します。
 
 枝は細く多数がほうき状に枝分かれし、先は垂れます。

 樹皮は淡褐色で緑色を帯び、縦に筋が入ります。

 枝には稜があり、冬でも緑色をしてはじめは毛があります。

 冬芽は鱗芽で互生し、小さな半球形や卵形で赤みを帯びて2枚の芽鱗に包まれます。

 果実は、熟すると黒くなります。
 
 種は、成熟すると殻が激しく爆発して遠くへ飛んでいきます。

 時に、15mほど飛んでいくこともあります。

 花言葉は、「謙遜」「卑下」「清潔」「恋の苦しみ」です。

 「謙遜」「卑下」は、フランスの伝説からつけられました。

 兄王を殺害した弟は良心の呵責に苦しみ、巡礼の旅に出て毎日エニシダの枝に懺悔の言葉を繰り返したそうです。

 兄への罪の告白と、その悔恨の心情からつけられたと言われます。

 「清潔」は、かつてエニシダの枝を束ねてホウキを作っていたことに由来します。

 「恋の苦しみ」は、深い悲しみや葛藤、心の痛み、苦悩といった恋愛に伴う怖さを表しています。

Dsc 0169エニシダ

科・属  マメ科エニシダ属
学名   Cytisus scoparius
英名   Broom、Scotch broom
和名   エニシダ、金雀枝、
     金雀児
原産地  ヨーロッパ中西部
開花   4月~6月

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