アラセイトウ

 アラセイトウ(紫羅欄花)は、アブラナ科アラセイトウ属の一年草です。

 初冬の訪れを告げる香りの花で10月~5月ころに出回り、開花期は早春~春です。

 比較的育てるのに手間がかかりませんので、ガーデニング初心者でも育てやすい品種です。

 日本では、切花として栽培されているものと花壇に植えるものとに分かれています。

 切り花用は草丈が60〜80cmの高性種で、生花が少なくなる冬場に出荷されます。

 花壇用は草丈が30cmほどの矮性種で、鉢植えや花壇用として蕾や花がついたものが販売されています。

 観賞用のほかにも、食用の品種もあります。

 南ヨーロッパ原産で、この属には48種が含まれています。

 栽培化されているのはアラセイトウとヨルザキアラセイトウの2種で、単にストックというとほとんどこれを指します。

 ストックは英語で茎を意味し、太い茎が特徴的であることから名づけられました。

 日本には江戸時代初期に渡来し、大正時代末期に千葉県安房地域で日本最初の切り花生産が開始されました。

 原産地では多年草ですが、日本では夏の暑さで枯れるため、1年草として扱われています

 和名のアラセイトウは、葉がポルトガル語の羅紗に似ているところから「葉ラセイタ」と呼ばれそれが転訛したといわれます。

 ストックは野生のものは一重咲きでしたが、現在では八重咲きが主流です。

 花が咲くと甘い香りがしますので、贈り物にすると喜ばれます。

 切花の場合は、八重咲きの花が好まれる傾向にあります。

 花色も、ピンク色、緋紅色、紫色、白色など多彩です。

 カラーバリエーションが豊富で、ガーデニングやアレンジメントにも用いられます。

 苗から育てる場合は9月〜11月頃に植え付け、鉢植えでも栽培できます。

 なるべく、日当たりがよく風通しの良い場所に植えるのがポイントです。

 風通しが悪いと湿気が多くなり、病気にかかりやすくなってしまいます。

 花言葉は、「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」です。

 「永遠の美」は、花持ちがよく香りの持続時間も長いことから付けられました。

 「愛情の絆」「求愛」は、ある国の姫君が敵国の王子と恋をして、姫が合うことを禁じられ夜中にロープを使って降りて密かに会っていた言い伝えに由来します。

 ある時ロープが切れて姫君は亡くなってしまったのを、神さまが哀れんで姫君をストックの花に変えたそうです。

Dsc 0157アラセイトウ

科・属  アブラナ科アラセイトウ属
学名   Matthiola incana
英名   stock
和名    アラセイトウ、紫羅欄花
別名   ストック、コアラセイトウ
花期   早春~春
原産地  南ヨーロッパ

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