漢字で馬酔木と書き、アセビの葉を食べた馬がその毒で酔ったようにふらふらとしてしまう様子からこの名前がつけられました。
学名のPieris japonica(ピエリス・ヤポニカ)ですが、Pierisはギリシャ神話の詩の女神ピエリスの名前からつけられました。
アセビは、万葉集で古くから詠まれてきたほど日本人に愛されてきました。
本州・四国・九州に自生し、観賞用に植栽もされる場合もあります。
開花時期は2月から4月で釣鐘状の花を咲かせ、かわいらしく見ていて和まされます。
ヒガンノキともよばれ、春彼岸のころにアセビが花盛りで、仏前の供花にもされることに由来します。
樹高は最大で4mほどまで生長し、花の期間が長いことから庭木などで人気がある植物です。
自生するものはかなり大きいものもあり、樹齢100年から200年になる老木も多く見られます。
樹皮は褐色で縦に細く裂けてややねじれ、ネジキに似ています。
若枝は緑色ではじめのうちは毛がありますが、のちに無毛となります。
しかし、アセビの毒は口にすると腹痛や下痢・嘔吐などを引き起こしますので、見かけたときは注意しましょう。
アセビにはいくつかの種類があり、園芸品種として有名なのがアケボノアセビです。
通常のアセビは白色の花をつけますが、アケボノアセビはピンクの花をつけるのが特徴になっています。
アケボノアセビは観賞用として大変おすすめです。
タイワンアセビは赤色の花を咲かせる品種ですが、日本で見かけることは少ないです。
リュウキュウアセビはかつて奄美大島と沖縄本島に自生していましたが、園芸用に採取されたことから絶滅したとされています。
花言葉は、「犠牲」「献身」「清純な心」「あなたと二人で旅をしましょう」です。
「犠牲」「献身」は、ギリシャ神話にちなんだ花言葉です。
神々の怒りのために岩に張り付けられていたアンドロメダを、ペルセウスが献身的に救ったことから名づけられました。
「清純な心」は、アセビの白く可憐な花の様子からつけられました。
純白の小さな花が鈴なりに咲いている様子は、まるで純粋無垢な少女達のようです。
厳しい冬を乗り超え、だんだんアセビが咲き始めると、心を和ませてくれます。
「あなたと二人で旅ができますね」は、ようやく出かけられるようになったという印です。
科・属 ツツジ科・アセビ属
学名 Pieris japonica
英名 Japanese andromeda
和名 馬酔木
別名 アシビ、アセボ
原産国 日本、中国、台湾
開花 2月〜4月
草丈 1.5〜2.5m
時期を逃さず
ことしの桜
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