旧済生館本館は、1878年に立てられた擬洋風の病院建築です。
旧済生館本館
山形県山形市霞城町1−1 内 霞城公園
済生館は、1878年に山形県立病院として建設されました。
東北地方で最も早く西洋医学を取り入れ、診療の他に医学校が併設されました。
擬洋風建築は、欧米の建築を日本の職人が真似て建築したものです。
外観は3層なのに内部は4階建てという複雑な構造で、三層楼は建物を象徴しています。
1層目は8角形で石敷きのベランダ、2層目は16角形の広間があり、3層目は8角形の小部屋です。
細部を見ると、内部の装飾には洋風、和風の要素があちらこちらに見られます。
洋風と和風をコラボレーションした、珍しい建築様式の建物です。
旧済生館は、1873年に天童村に創設された私立病院を起源としています。
1878年9月に、当時の県庁のそばに本館が竣工しました。
済生館という名前を命名したのは、最後の太政大臣だった三条実美です。
三条実美は、王政復古後は京都に戻り新政府の副総裁となり、後に右大臣や太政大臣を歴任しました。
今の済生館は山形県山形市にある医療機関で、条例により設置され、山形市が運営しています。
はじめは県立病院として使われ、1904年から市立病院済生館の本館となりました。
1992年7月に病院区域を拡張・整備し、同年10月に地上12階、地下2階からなる新病院が開院しました。
1994年に、立体駐車場、公共駐輪場、親水空間などが整備されています。
旧済生館本館は1966年に国の重要文化財に指定され、それに伴い霞城公園内に移築復元されました。
テレビ特撮の『マグマ大使』の第49話でロケが行われ、移設解体工事直前の旧本館が映っています。
1970年に移築復元工事が完了し、1971年に山形市郷土館となっています。
旧済生館として使われていた建物は、現在、旧済生館本館として公開中です。
1・2階を一般に公開し、郷土の歴史や医学関係の資料を中心に展示しています。
2030年度に現在の建物が法定耐用年数を迎えるため、現在の敷地内に新病院が建設される計画です。
アクセスは、JR東日本奥羽本線山形駅で下車し、西口から霞城公園南門経由で徒歩約15分です。
自動車なら、山形自動車道山形蔵王ICより約15~20分です。
旧済生館本館(外部リンク)