文翔館は、旧山形県庁舎と旧県会議事堂を修復し利活用している施設です。
山形県郷土館 文翔館
山形県山形市旅篭町3丁目4−51
正式名称は、山形県郷土館といいます。
初代県令三島通庸の手によって、1877年に山形県庁舎が1883年に県会議事堂が建設されました。
しかし、1911年の山形市北大火によって、初代の山形県庁舎と県会議事堂は焼失してしまいました。
ただちに、同地で両棟の復興が計画され、1913年に着手1916年に完成されたものです。
再建される新庁舎は、耐火建築物として建設されることとされました。
米沢藩出身の中條精一郎が設計顧問となり、東京から招いた田原新之助が設計・監督を行いました。
田原新之助は、御雇外国人として日本に招聘されたイギリスのジョサイア・コンドルの内弟子です。
2代目の県庁舎と県会議事堂は、イギリス・ルネサンス様式です。
1984年に、2代目庁舎と県会議事堂が、国から重要文化財に指定されました。
県庁舎は地上2階・半地下1階の3階建てで、議事堂は平屋建て・一部2階建てでした。
建物はレンガ造りで、床・天井・小屋組は木造です。、
外壁の花崗岩は南陽市産出のもので、屋根は宮城県雄勝町産の黒色スレートなどを使用されたものです。
高度成長期に入り、県行政の中心である県庁の機能も複雑多岐にわたるようになりました。
増設を重ねてきた2代目庁舎も、各部署が分散しかつ狭かったため、事務効率上の問題が出てきました。
これを受けて策定されたのが、新県庁舎の建設計画です。
県の誕生百年を目前に控えた1975年に、地下2階・地上16階の3代目県庁舎が完成しました。
松波に県庁が移転したため、2代目庁舎は歴史資料館として永久保存することとされました。
正式名称は、山形県郷土館といいます。
創建当初の姿を今に伝え、展示、映像ホール、ギャラリー、会議室などで利用されています。
南面道路にあたる分を除いて、敷地はすべて緑地公園になりました。
中央の時計塔は文翔館のシンボルで、札幌の次に古く今でも5日に1回は手動で動かせています。
館内に施された装飾は、西洋風に仕上げられとても豪華なものです。
ステンドグラスは月桂樹がデザインされ、漆喰天井は細かな仕上げが素晴らしいです。
階段の手すりの装飾も、大正ロマンを感じさせてくれます。
映画のロケ地にも使用されるなど、レンガ造りの趣深いたたずまいが魅力です。
ロケは、”百年の物語””流転の王妃・最後の皇弟””るろうに剣心””賭ケグルイ”などです。
日没から21時30分まで、ライトアップが行われています。
サイフォンコーヒーなどが楽しめる、喫茶室もあります。
アクセスは、JR東日本奥羽本線北山形駅東口より徒歩約18分、JR東日本奥羽本線山形駅東口より徒歩約24分です。
自動車なら、山形自動車道山形蔵王ICから約10分です。
文翔館 大正ロマンあふれる山形のシンボル (外部リンク)