天竜峡は、長野県飯田市にある天竜川中流にある南北約2kmにわたる峡谷です。

 名勝 天龍峡
 長野県飯田市川路4756

 弘化4年(1847)に、岡山の漢学者阪谷朗盧(さかたにろうろ)が天竜峡と名づけました。

 右岸側の高台に、朗廬の天竜峡碑(漢文)が建立されています。

 阪谷朗廬は、岡山の郷校・興譲館の館長を務めた人物で、学問を広めました。

 岩を砕く激流と高い断崖の景観を褒めたたえ、峡谷を流れる大河の名をとって命名したのです。

 天竜峡は昭和9年(1934)に国の名勝に指定されました。

 また、昭和44年(1969年)に、近隣地域とともに天竜奥三河国定公園に指定されました。

 竜の字を旧字とした、天龍峡と記述されることもあります。

 文化財(名勝)の固有名詞としては、天龍峡が正しい名称となっています。

 天竜川は暴れ川と言われ、伊那盆地南部で伊那山地を侵食して峡谷を作りました。

 高さ60m~80mの花崗岩の断崖絶壁、龍角峰・烏帽石などと名づけられた奇岩があります。

 天龍峡十勝と言われ、奇岩、断崖、淵などの代表的な景観ポイントに名前が付いています。

 この名称は、明治15年(1882)に当地の文人の招請で訪れた、書道家の日下部鳴鶴が選定したものです。

 これらの岩には、それぞれに鳴鶴自筆の銘が彫られています。

 岸壁にはアカマツやモミジが自生し、激流と絶壁にかかる青松が見れます。

 散策でも舟からでも、岩の造形や川の流れの表情を楽しめるのです。

 峡谷の東西に遊歩道が整備され、橋を渡りながら両岸を回れます。

 橋は、三遠南信自動車道にある、令和元年(2019)開通の全長280m高さ約80mの天竜峡大橋です。

 車道の下に設けられた歩道のそらさんぽ天龍峡は、下に天竜川、川下り、鉄道が見えます。

 歩くほどに視点が変わり、写真のバリエーションも増えます 。

 春から初夏には芽吹きや花が増え、遊歩道散策が気持ちいいです。

 秋は紅葉の名所として知られ、峡谷の色づきと岩肌のコントラストが素敵です。

 橋の景観ポイントは、北の姑射橋、中央のつつじ橋、南のそらさんぽ天龍峡などが挙げられます。

 橋そのものも、展望スポットになっているのです。

 川面から見上げる断崖や奇岩は、散策とは別の迫力をあります。

 船上から景観を楽しむ遊覧ルートは、二つあります。

 一つは、天竜峡温泉港から唐笠港まで約50分の「天竜ライン下り」です。

 運行しているのは、天竜ライン遊舟有限会社です。

 通常1日4便、冬期(12/1~3/31)1日2便ペースで、冬季にはこたつ舟も運航しています。

 もう一つは、弁天港から時又港まで約35分の「天竜和船下り」です。

 運行しているのは、南信州リゾート株式会社です。

 平日1日2便、土日祝日は1日4便ペースで、冬季にはこたつ舟も運航しています。

 天候等で運航状況は変わりますので、当日の案内を確認してください。

 アクセスは、JR東海飯田線天竜峡駅より徒歩約5分です。

 自動車なら、三遠南信自動車道天龍峡ICから約5分です。

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