ネジバナ
ネジバナ(捩花)は、ラン科ネジバナ属の小型の多年草です。
日本の芝生や公園など、身近な場所に生える小さな野生のランです。
日当たりの良い芝地や土手など、都市部でもよく見られます。
原産地は、日本を含む東アジア一帯です。
日本全土、ヨーロッパ東部、シベリア、温帯・熱帯アジア全域、オセアニアなどに広く分布しています。
学名のSpiranthes(スピランセス)は、ギリシャ語のspeira(螺旋)+anthos(花)が由来です。
細い花茎のまわりに、小さなピンク色の花がらせん状にねじれながら並んで咲きます。
このねじれた穂の姿から、ネジバナという名前が付きました。
ネジバナがねじれるのは、つぼみが花茎の周りにらせん状に配置され、成長の過程で反転していくためと説明されます。
右巻きも左巻きもあり、まっすぐに咲く株もあって、一本一本で表情が違います。
どちら向きにねじれるかを決める遺伝や環境要因は、はっきりした仕組みが解明されていません。
左右どちらに巻くかは、その株ごとの形質の違いによるようです。
一本一本の個性を見ることは、好事家の観察の楽しみです。
別名はモジズリ(綟摺)ともいい、ねじれ模様の染め文様と花姿が似ていることから来ています。
葉は濃い緑色で根元に集まってつき、1~8本の株立ちになります。
地下には、多肉質の太い根が10~15cmほど伸びているのです。
株の中心から高さ15~40cmの花茎をまっすぐに伸ばし、らせん形に花をつけます。
花は5mmほどととても小さく、淡いピンクからやや濃い赤紫まで株によって色が異なります。
まれに真っ白な花の、シロバナモジズリと呼ばれるタイプもあるのです。
主な開花期は5月~8月で、この時期、芝生の間から伸びて咲いている姿を見つけやすいです。
芝生などに生える雑草ですが、花の形はランそのものに見えます。
花は小さく、5弁がピンクで、花の一部が唇のような形になった唇弁は白です。
茎の周りに螺旋状に花が付いて、花茎の周りにはピンクの花が螺旋階段のようです。
コハナバチのような、小形のハナバチなどが花粉塊を運んで他花受粉が起こります。
ネジバナは、株分けと実生で増やすことができます。
株分けするのは、新芽を1~3本ほどつけ既存の茎が5本程度つくのが目安です。
湿っていて日当たりの良い、背の低い草地に良く生育します。
葉は柔らかく厚みがあり根出状に数枚つけ、冬期は楕円形をしていて生育期間中は細長く伸びます。
根はとても太く短く、細めのサツマイモのような形で数本しかありません。
花後タネを散らすと、株は一時休眠して、その後、芽を出します。
花言葉は、「思慕」「恋しく思う」「素直な心」「勝利」などです。
「思慕」「恋しく思う」は、ねじれながらも上へ伸びる姿が、誰かをひそかに慕い続ける気持ちや、まっすぐ届かない想いを象徴しています。
「素直な心」は、細くまっすぐに立ち上がる茎の印象からきています。
「勝利」は、細い体で芝生や土手の中から顔を出し毎年よく増えていく強さが、困難を乗り越えるイメージです。

科・属 ラン科ネジバナ属
学名 Spiranthes sinensis
var. amoena
英名 Screw flower、
Lady’s tresses
和名 ネジバナ、捩花
別名 モジズリ、綟摺
ネジリバナ、
ヨジリンボウ
原産地 日本を含む東アジア一帯
花期 5月~8月
