アサガオ

 アサガオ(朝顔、牽牛花)は、ヒルガオ科サツマイモ属の一年性植物です。

 朝顔とは朝に咲く美しい花という意味で、朝の容花(かおばな)と呼ばれていたのが名前の由来です。

 容花とは、容姿の美しい花ということを意味しています。

 牽牛花は、アサガオの種子が牽牛子(ケンゴシ)と呼ばれていたことが由来です。

 原産地は、ヒマラヤ地方、熱帯アジア、あるいは熱帯アメリカなど諸説あります。

 日本には、奈良時代の末期から平安時代初期にかけて、中国から伝わったとされています。

 遣隋使によって、中国から種を持ち帰ったのがはじまりです。

 日本で最も発達した園芸植物で、古典園芸植物のひとつでもあります。

 品種の数は数千にも及びますが、ほとんどは江戸時代に改良されたものです。

 品種を競う朝顔番付も関西や関東で盛んになり、品評会が開催されていました。

 東京・入谷の朝顔まつりをはじめ、朝顔市が各地で開かれるなどしてきました。

 7月中旬から10月上旬にかけて、青・紫・白・赤・ピンク・複色などの花を咲かせます。

 這わせると長くツルを伸ばし、緑のカーテンができるほどです。

 ラッパのような円錐形の花を咲かせ、5枚の花びらが融合して漏斗状です。

 アサガオは、日の出前に咲き始め昼前にはしぼみます。

 これに対し、ヒルガオは早朝に咲き昼になっても花はしぼまず夕方まで咲き続けます。

 アサガオはヒルガオ科サツマイモ属の一年草、ヒルガオはヒルガオ科ヒルガオ属の多年草です。

 アサガオは夏を代表する風物詩であり、およそ1000年以上も愛されてきました。

 最初に中国から伝わった際、朝顔は漢方薬としてもたらされました。

 種には下剤や利尿剤となる成分が含まれていて、牽牛子(けんごし)という生薬です。

 その後、花の美しさから観賞用としても栽培されるようになりました。

 千年以上前の中国伝来の品種を改良した日本アサガオと、明治以降に海外から輸入された西洋アサガオがあります。

 日本アサガオには、一般的に親しまれている大輪アサガオと、突然変異で珍しい花や葉をつける変化アサガオがあります。

 それぞれの系統には多くの派生品種が存在し、珍しい品種は高値で取引されることもあったようです。

 西洋アサガオには、鮮やかな青色の花を咲かせるヘブンリーブルーや、白色に青や紫の絞りのフライングソーサーなどがあります。

 西洋アサガオはもともと多年草でしたが、寒さに弱く冬を越せないため日本では一年草として扱われています。

 花言葉は、「淡い恋」「愛情」「結束」などです。

 「淡い恋」は、早朝に咲いて昼にはしぼむアサガオの性質からきています。

 「愛情」は、咲いている時間は短いものの情熱的に咲き誇る姿が由来です。

 「結束」は、夏の暑さに負けず力強くツルを伸ばす様子などに由来します。

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科・属  ヒルガオ科サツマイモ属
学名   Ipomoea nil
英名   morning glory
和名   アサガオ、朝顔
別名   ケンゴシ、牽牛子
原産地  ヒマラヤ地方、熱帯アジア
     熱帯アメリカなど諸説あり
開花   7月~10月

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